サブスク管理の必要性
『新しい時代の「契約」と「管理」』
『新しい時代の「契約」と「管理」』ページでは、サブスクリプション・SaaSが持つ2つの特徴と、契約・数量変動に潜む新しい管理の必要性について解説していきます。
皆さんは日々の業務でどのようなツールを使っていますか?
例えば下記サービスは多くの方々が日常的に利用されているのではないでしょうか。
・メール
・文書作成ツール
・オンライン会議ツール
・デザインツール
これらのツールをよく見てみると、ほとんどがサブスクリプション型のサービスです。
先程挙げたツールは月額・年額の支払いが発生します。
私たちは知らず知らずのうちに、仕事で使うツールの多くをサブスクリプション製品に頼るようになっています。
特にSaaS(Software as a Service)と呼ばれるクラウドサービスは、企業の規模を問わず広く利用されるようになりました。
米国の統計によると、企業が利用するSaaSの数は平均30種類以上で、その数は年々増加しています。日本でも同様の傾向が見られ、従業員は複数のサブスクリプションツールを使い分けて業務を進めています。
さて、SaaSやサブスクリプション型のツールがこれだけ増えている今、私たちには「複数のSaaSを管理する」という新しい業務と課題が生まれてきます。
具体的にどのような課題か、なぜそれが課題になるのかを考える前に、サブスクリプションツールの特徴を改めて整理しておきましょう。
買い切り型からサブスクリプション型への移行が進んだ背景には、その本質的な特徴があります。ここでは、SaaSが持つ大きな特徴を2つに絞ってお話しします。
特徴1:売買ではなく契約
一つ目は、「サブスクリプションは売買ではなく契約である」ということです。買い切りではないため、単純な売買関係にはなりません。常に「契約」を伴う別の商形態なのです。
例えば、お店で服を買うことと、動画見放題サービスに加入することを比較してみましょう。服を買う場合、お店側が管理するのは、価格と個数くらいです。売買はその場で完結するため、管理の手間はほとんどありません。
一方、サブスクリプションには多くの条件、特に「期間」が伴います。動画サービスの場合、申し込んだ日から使えるとしても、「課金は来月末から」「契約期間は2年間」といった複数の期間が存在します。
また、利用規約に同意が求められたり、付帯条件を付けられるのも契約ならではの特徴です。「2年間は解約できません」といった縛りや、解約単位に関する条件など、さまざまな条件が付加されます。
したがって、サブスクリプションには期間や条件が多数存在するため、これらをしっかりと管理する必要があるのです。
特徴2:数量の変動
二つ目は、一概には言えませんが、多くの場合、「数量を変動させやすい」ということです。
例えば、従業員が9人から1人に減ったケースを考えてみます。「モノ」の場合、オフィスチェアを9脚買ったとすると、従業員が1人になっても9脚の椅子はそのまま残ります。
一方、SaaSのようなサブスクリプション型サービスではどうでしょう。Gmailのアカウントを9人分契約していた場合、従業員が1人になれば、翌月からアカウントを1つに減らすことができます。
これは、数量に応じてコストをリニアに変動させられるという、サブスクリプションの大きな利点です。
初期投資を大きく行ってモノを購入し、無駄が生じるリスクがある買い切り型に比べ、サブスクリプションは経済効率が非常に高いのです。
数量を柔軟に変動させやすいということは、サブスクリプションツールにとっての大きな強みであり、多くの企業に受け入れられている理由の一つと言えるでしょう。